この記事で分かること(結論)
2024年3月、システアミン塩酸塩は化粧品原料としての取り扱いが見直され、多くの業務用まつ毛パーマ剤ブランドが代替処方への切り替えを進めています。主な代替成分は「システアミン(塩酸塩ではない形)」「チオグリコール酸MEA」「チオグリセリン」の3種類。それぞれ軟化時間・臭い・肌への刺激感で特性が異なり、サロンは自店の主要顧客層に合わせた選定が必要です。本記事では、代替成分の詳細・施術面の変化・各ブランドの対応状況・サロンが取るべき3ステップまでを整理します。
1. なぜシステアミン塩酸塩が問題になったのか

システアミン塩酸塩は、まつ毛や毛髪の内部にあるジスルフィド結合を還元・切断する作用があり、業務用のまつ毛パーマ剤やヘアパーマ剤で長らく使われてきた成分です。
2024年3月の見直し内容
厚生労働省は2024年3月、化粧品原料としてのシステアミン塩酸塩について、含有量・使用条件・製造販売届出のあり方などの取扱いを見直しました。これに伴い、化粧品として登録・流通している業務用まつ毛パーマ剤の多くは、以下いずれかの対応を求められる状況になりました。
- 対応A:システアミン塩酸塩を維持しつつ、含有量・使用条件を規定内に調整して再届出
- 対応B:「システアミン(塩酸塩ではない形)」に処方を切り替えて、実質的に「システアミン塩酸塩フリー」表記へ移行
- 対応C:チオグリコール酸MEAやチオグリセリンなど、別系統の還元剤に処方全体を切り替え
業界に与えた影響
2024年3月以降、業界内では対応Bと対応Cを選ぶブランドが増え、「システアミン塩酸塩フリー」の表記や「チオ系ハイブリッド処方」といった訴求が広がっています。既に運用中のサロンからすると、使い慣れた薬剤の「後継処方」がリリースされ、軟化時間や臭いの感覚が変わったケースも報告されています。
2. 主な代替成分3種類の特性比較
2026年時点で、業務用まつ毛パーマ剤の代替成分として広く採用されているのは以下の3系統です。それぞれ還元力・軟化時間・臭い・肌への刺激感で特性が異なります。

| 成分名 | 還元力 | 軟化時間 | 臭い | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| システアミン(塩酸塩ではない形) | 中〜強 | 短め(4〜7分) | 弱い〜中 | 従来のシステアミン塩酸塩に近い還元力を保ちつつ、規制対応。多くのブランドが第一選択に採用 |
| チオグリコール酸MEA | 強 | 普通(7〜12分) | 中〜強(対策必要) | 従来型の確実な還元剤。剛毛に強いが、独特の臭いがあるため香料や中和剤で対策 |
| チオグリセリン | 弱〜中 | 長め(10〜20分) | 弱い | 低刺激・低臭が特徴。ダメージ軽減・敏感肌の顧客層に好適。ゆっくり効くタイプ |
(塩酸塩フリー)
多くのブランドは、上記1〜2種類の組み合わせに「加水分解ケラチン」「ヒアルロン酸」「アルギニン」などの保湿・pH緩衝成分を配合したハイブリッド処方を採用しています。
3. 代替処方への切り替えで変わる施術面の3ポイント

① 軟化時間の再確認が必要
処方が変わると、以前と同じ「置き時間」で施術しても、還元不足や逆に還元過多になるケースがあります。切り替え後は必ず、毛質別に還元チェック(つまようじや細ロッドで反発を確認)を行い、自店の「置き時間の目安」を再構築してください。
② 臭いへの顧客反応が変わる可能性
システアミン塩酸塩は独特の硫黄臭がありましたが、代替系ではこの臭いが弱まる傾向があります。逆に、チオグリコール酸MEA を採用したブランドでは、以前より臭いが強く感じられる場合もあります。顧客への事前案内・カウンセリングで、「今回は薬剤の香りが変わっています」と一声かけると信頼が保てます。
③ 肌への刺激感の個人差
代替成分の pH やアルカリ剤(アルギニン、モノエタノールアミン等)の設定で、まぶたへの刺激感が変わることがあります。特に敏感肌の顧客に対しては、初回はテストパッチや短時間からの様子見をおすすめします。
4. 主要業務用ブランドの対応状況(2026年時点)
業務用ラッシュリフト薬剤の主要ブランドが、代替成分にどう対応しているかを一覧化しました。詳細は各ブランドの公式情報でご確認ください。
| ブランド | 代替対応 | 処方の特徴 |
|---|---|---|
| Mermaid Lash Lift(Xi) | システアミン系(塩酸塩フリー) | 2024年規制対応済み。4ステップ設計+竹由来保湿成分で、ダメージ配慮を両立 |
| Cite(ケイトオブ東京) | システアミン+チオ系ハイブリッド | 軟化時間 5分の短時間仕上げ。ケラチン・HA配合 |
| neu/(ノイ) | チオグリコール酸系 | システアミン塩酸塩フリー。低臭タイプで顧客対応しやすい |
| Ribbon(mico.) | チオグリセリン+チオグリコール酸 | ノンアルカリ処方。ダメージ配慮の設計 |
| HoneyLASH(ハセラボ) | チオグリコール酸+チオグリセリン | アルギニン低アルカリ処方。香り付きで顧客体験を強化 |
※上記は公式に確認できた情報を基にした整理です。各ブランドの処方は継続的にアップデートされるため、導入前・切替時には必ずメーカー公式情報をご確認ください。
5. サロンが取るべき3ステップ
代替成分時代に、認定サロンや個人サロンが取るべき対応を3ステップにまとめました。

Step 1|現在の薬剤の処方確認
まず、現在使用している薬剤が2024年以降の規制に対応済みかを、メーカー公式情報またはメーカー窓口で確認してください。ロット番号や届出番号の変更がある場合、処方の更新済みサインです。
Step 2|切替後の施術検証
処方が更新されている、または切替を検討する場合は、必ず自店で以下を検証してください。
- 軟毛・普通毛・剛毛それぞれで、目安時間の再測定
- スタッフが実際に施術した際の臭い・使用感の記録
- 敏感肌顧客への刺激反応の様子見
Step 3|顧客への事前案内
常連顧客ほど「いつもと違う」に敏感です。切替時には、「業界規制の関係で処方が新しくなりました。仕上がりや香りが少し変わる可能性があります」と一言添えると、信頼関係を保てます。カウンセリングシートに項目を追加するのも有効です。
6. まとめ|代替成分時代の薬剤選定フレームワーク
選定の3軸
① 主要顧客層 → 敏感肌が多いならチオグリセリン系、剛毛が多いならチオグリコール酸MEA系、バランス重視ならシステアミン系(塩酸塩フリー)
② 施術回転 → 5〜7分で高回転狙いならシステアミン系、じっくり派ならチオグリセリン系
③ ブランドの伴走 → 講習・アフター相談が受けられる認定制度付きブランドを優先
Mermaid Lash Lift(株式会社Xi)は、2024年の規制に対応した「システアミン塩酸塩フリー」処方の日本製・化粧品登録済み薬剤です。4ステップ設計で施術後のダメージ軽減を狙い、認定サロン制度と講習(オンライン説明会+実技全15時間)で導入をサポートします。
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