この記事で分かること
- 値上げを伝えるベストなタイミングと告知の順番
- 客離れを防ぐ告知文の型と、そのまま使える文例
- 価格改定のあとにリピートへつなげるフォローの方法
結論からお伝えすると、値上げは「理由・感謝・価値」をセットにして、余裕のあるスケジュールで伝えれば、常連のお客様との信頼関係を保ったまま実施できます。この記事では、アイサロンの現場を想定した価格改定の3ステップを順番に解説します。
サロンの値上げはどう伝えれば客離れを防げる?
理由と感謝をセットで明記し、実施の1〜1.5ヶ月前を目安に、複数の手段で告知するのが基本です。
値上げで大切なのは、金額そのものよりも「伝え方の順番」です。ある日突然、店頭の掲示だけで価格が変わっていると、お客様は「知らされていなかった」という気持ちになりやすく、これが客離れのいちばんの原因になります。逆にいえば、前もって、理由といっしょに、複数の場所でお知らせできていれば、多くのお客様は納得して通い続けてくださいます。
まずは告知の手段を整理しましょう。ひとつの手段だけに頼らず、組み合わせて届けるのが基本です。
| 告知手段 | 届きやすさ | 始める時期の目安 | ポイント |
|---|---|---|---|
| 口頭(施術後・次回予約時) | 高い | 1.5ヶ月前 | 常連のお客様へ最優先で直接伝える |
| LINE・メール配信 | 高い | 1〜1.5ヶ月前 | 告知文をそのまま届けられる |
| 店頭掲示・カウンセリングシート | 中 | 1ヶ月前 | 来店したすべてのお客様に伝わる |
| SNS・ホームページ | 中 | 1ヶ月前 | 予約の前に気づいてもらえる |
値上げのお知らせはいつから始めればいい?
告知の開始は、価格改定日の1〜1.5ヶ月前が目安です。お客様の来店周期を1回はさむのがポイントです。
アイサロンのお客様の来店周期は、まつ毛パーマなら4〜6週間が目安といわれます(くわしくはまつ毛パーマの持ちは何ヶ月? 長持ちさせるコツもご覧ください)。告知期間をこの周期より長く取ると、ほとんどの常連のお客様が、旧価格のうちに一度は来店してお知らせを受け取れる計算になります。
「駆け込み来店で予約が混み合うのでは」と心配になるかもしれませんが、それ自体は悪いことではありません。来店のきっかけになりますし、その場で次回予約と新価格のご案内を同時にできるからです。
客離れを起こさない価格改定3ステップ
ここからは、準備・告知・実施後フォローの3ステップに分けて、実務の流れを解説します。全体像は下の図をご覧ください。

STEP1|準備:値上げ幅と対象メニューを決める(2ヶ月前〜が目安)
最初にやることは、告知文づくりではなく数字の整理です。材料費・光熱費・講習などへの投資額を洗い出し、1施術あたりの原価と時間単価(1時間あたりに生み出せる売上)を確認します。根拠となる数字があると、値上げ幅を自信を持って決められます。
値上げ幅に唯一の正解はありませんが、原価の上昇分と、お客様の負担感をならべて、「理由を説明できる範囲」に収めるのがポイントです。また、全メニューを一律に上げる必要はありません。原価が上がったメニューや、予約が集中している人気メニューから段階的に見直す方法もあります。メニュー全体の価格の考え方はラッシュリフト導入の単価設計でくわしく解説しています。
STEP2|告知:感謝→理由→新価格の順で伝える(1〜1.5ヶ月前が目安)
告知文は、次の5つの要素をこの順番で入れると、押しつけがましくならず、それでいて必要なことがすべて伝わります。
- 感謝:いつもご利用いただいていることへのお礼
- 理由:材料費の上昇、技術向上への投資など、事実を簡潔に
- 新価格と実施日:旧価格・新価格・改定日をはっきり明記
- 変わらない約束:施術の質をさらに高めていく姿勢
- 締めのお願い:今後も変わらぬご愛顧をお願いする一文
いつも当店をご利用いただき、まことにありがとうございます。恐れ入りますが、材料費の上昇と技術向上のための講習受講にともない、10月1日より、ラッシュリフトの価格を6,000円から6,600円(いずれも税込・金額は目安の一例)に改定させていただきます。今後もより満足いただける施術をお届けできるよう努めてまいります。変わらぬご愛顧のほど、よろしくお願いいたします。
※文例中の金額と日付は、あくまで書き方を示すための目安の一例です。ご自身のサロンの数字に置き換えてお使いください。

文章ができたら、スタッフ全員で共有しましょう。お客様から「どうして上がるの?」と聞かれたときに、誰が答えても同じ説明ができる状態にしておくと、接客の場面で迷いがなくなります。
STEP3|実施後:新しい価格に見合う体験を整える
価格改定は、告知して終わりではありません。新しい価格でご来店いただいた最初の1〜2回こそが勝負どころです。カウンセリングをいつもより丁寧にする、施術後にホームケアのアドバイスをひとこと添えるなど、「上がった分の価値がある」と感じていただける体験を意識しましょう。

あわせて、メニューの見せ方やオプション提案を整えると、値上げとリピートの両立がしやすくなります。実例の考え方はラッシュリフトメニュー導入で客単価を上げた3つの工夫が参考になります。
Mermaid Lash Lift では、薬剤のご提供だけでなく、メニュー設計や価格づくりのご相談まで含めてサロン導入をサポートしています。くわしくは業務用導入をご検討のサロン様向けページをご覧ください。
値上げすると客離れは本当に起こる?
一部のお客様が離れる可能性はありますが、理由と価値がきちんと伝われば、多くの常連様は残ってくれます。
離れやすいのは、価格だけを理由に選んでくださっていたお客様です。少し厳しい言い方になりますが、この層は近隣により安いサロンができれば、値上げをしなくても移ってしまう可能性が高い層でもあります。一方、仕上がりや接客、あなたの技術を気に入って通ってくださるお客様は、丁寧な告知さえあれば簡単には離れません。
だからこそ、値上げの告知は「残ってほしいお客様に価値が伝わる設計」で考えることが大切です。逆に、次の3つは客離れを招きやすいので避けましょう。
- 直前の告知:来店したら価格が変わっていた、という状態がいちばんの不信につながる
- 謝りすぎる文面:過度な謝罪は「悪いことをしている」印象を与え、価値も下がって見える
- こっそり変更:メニュー表だけ差し替えて告知しないのは、気づいたときの落胆が大きい

知っておきたい価格表示のルール
価格改定のときは、次の2つのルールもあわせて確認しておくと安心です。
- 総額表示(そうがくひょうじ):店頭やメニュー表、ホームページの価格は、消費税を含んだ総額で表示することが義務づけられています。改定後の価格表も税込表記でそろえましょう。
- 有利誤認(ゆうりごにん)の防止:実際よりもお得に見せる表示は景品表示法で禁止されています。旧価格を併記する場合は、実際に販売していた価格を事実のとおりに書くようにしましょう。
現場からのひとこと
導入サロン様から値上げのご相談を受けるとき、悩みの中心は金額の決め方よりも「どう切り出すか」であることがほとんどです。おすすめしているのは、先に告知文を書き上げてしまうこと。文章の形になると気持ちの負担が軽くなり、口頭でのご案内も自然にできるようになった、というお声をよくいただきます。まずは文章の準備から始めてみてください。
よくある質問
Q1. 値上げの告知はどれくらい前から始めるべきですか?
実施日の1〜1.5ヶ月前が目安です。お客様の来店周期を1回はさめるように、余裕を持って始めましょう。
Q2. 常連のお客様にはどう伝えるのがいいですか?
施術後や次回予約の際に口頭で直接お伝えし、あわせてLINEや店頭掲示でも重ねてお知らせするのが安心です。
Q3. 値上げの理由はどこまで書くべきですか?
材料費の上昇や技術向上への投資など、事実を簡潔に書けば十分です。言い訳のように長く書く必要はありません。
Q4. 全メニューを一度に値上げすべきですか?
必ずしも一斉である必要はありません。原価が上がったメニューや人気メニューから、段階的に見直す方法もあります。
価格改定やメニュー設計について、個別に相談したい方はお問い合わせフォームからお気軽にご連絡ください。
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執筆:Mermaid Lash Lift 運営チーム

