この記事で分かること
- 1施術あたりの薬剤コストを、電卓ひとつで出す計算手順
- 薬剤以外の消耗品まで含めた、まつ毛パーマ1回の材料費の考え方
- ロス(期限切れや使い残しによる廃棄)を減らす在庫管理の3ステップ
結論からお伝えすると、まつ毛パーマ剤の原価は「薬剤1本の仕入れ価格 ÷ 1本で施術できる回数」を薬剤ごとに出して足し合わせるだけで、1施術あたりの金額が分かります。まずは自店の数字で一度計算してみましょう。

まつ毛パーマ剤の1施術あたりの原価はどう計算する?
薬剤1本の仕入れ価格を、1本で施術できる回数で割ります。4剤タイプなら4本分を合計した金額が1施術の薬剤コストです。
計算に必要なのは「仕入れ価格」「1本の容量」「1施術で使う量」の3つだけです。使う量は、計量スプーンや目盛り付きの容器で数回はかると平均が出せます。まつ毛は左右で本数も長さも違うため、1回だけでなく3〜5回の平均を取るのがおすすめです。
以下は、計算の流れをつかむための例です。金額・回数はすべて仮の数値で、実際の仕入れ価格や使用量はブランドや施術スタイルによって変わります。
| 薬剤 | 仕入れ価格(仮・目安) | 1本で施術できる回数(仮・目安) | 1施術あたり(目安) |
|---|---|---|---|
| 1剤(軟化剤) | 3,000円 | 30回 | 100円 |
| 2剤(固定剤) | 3,000円 | 30回 | 100円 |
| 3剤(栄養補給液) | 2,000円 | 40回 | 50円 |
| 4剤(仕上げ液) | 2,000円 | 40回 | 50円 |
| 薬剤合計 | 10,000円 | — | 300円 |
※上記は計算方法を示すための仮の数値です。実際の仕入れ価格・使用量はブランドや施術スタイルにより異なります。
この例では、薬剤だけの原価は1施術あたり300円(目安)になります。数字そのものより「自店の数字を同じ表に入れてみる」ことが大切です。仕入れ価格が変わったときや、施術スタイルを変えたときも、同じ表を更新するだけで原価を追いかけられます。

使用量のはかり方のコツ
- 1剤・2剤はコットンや綿棒に取る前の量を、目盛り付きの小分け容器で確認する
- 3〜5回分の使用量を記録し、平均値を「1施術あたりの使用量」とする
- 1本の容量(mL または g)÷ 1施術あたりの使用量 = 1本で施術できる回数
- ボトルの底に残って使い切れない分があるので、回数は少し控えめに見積もる
薬剤以外にかかる消耗品コストは?
グルー・前処理剤・コットンなどの消耗品を含めると、材料費は薬剤だけの1.5〜2倍程度になることが多いです(目安)。
薬剤の原価だけを見ていると、実際の材料費を低く見積もってしまいがちです。消耗品は1個あたりの単価が小さいため見落とされやすいのですが、毎回必ず使うものなので、積み上げると無視できない金額になります。
消耗品も薬剤と同じ考え方で、「1パックの仕入れ価格 ÷ 1パックで施術できる回数」を出して足し合わせます。ロッド(まつ毛を巻きつけるシリコン製の土台)のように繰り返し使えるものは、洗浄して再使用できる回数で割ります。
- 前処理剤・クレンジング:1本の価格 ÷ 使える回数
- グルー(ロッドやまつ毛を固定する接着剤):1本の価格 ÷ 使える回数
- コットン・綿棒・マイクロブラシ:1パックの価格 ÷ 1施術で使う本数で出した回数
- アイシート・テープ:1パックの価格 ÷ 1施術で使う枚数で出した回数
- ロッド:1セットの価格 ÷ 再使用できる回数(衛生面から交換の目安を決めておく)
薬剤と消耗品を合計した金額が、まつ毛パーマ1回の「材料費」です。ここに施術時間ぶんの人件費や家賃などの固定費を加えたものが、本来のコストになります。材料費だけで安心せず、全体を見る視点を持っておきましょう。

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まつ毛パーマ剤の在庫はどれくらい持てばいい?
月間施術数から1か月に使う本数を出し、「納期ぶん+予備1本」を目安に持ちます。持ちすぎは期限切れの原因です。
たとえば1本で30回施術できる薬剤で、月に60回施術しているなら、1か月に使うのは2本です。注文から届くまでに1週間かかるなら、1週間ぶん(約0.5本)に予備1本を足して、常に1.5〜2本が手元にある状態を保ちます。
在庫が多すぎると、使い切る前に使用期限(未開封で品質が保たれる期限)や開封後の推奨使用期間を過ぎてしまい、廃棄のロスが出ます。逆に少なすぎると、予約が入っているのに薬剤が足りない事態になりかねません。「月に使う本数」を一度出しておくだけで、この両方を避けられます。
| 月間施術数(目安) | 1か月に使う本数(1本30回の場合) | 手元に置く本数の目安 |
|---|---|---|
| 30回 | 1本 | 1.5〜2本 |
| 60回 | 2本 | 2〜3本 |
| 90回 | 3本 | 3〜4本 |
| 120回 | 4本 | 4〜5本 |
※1本で施術できる回数を30回、納期を1週間として計算した目安です。4剤タイプは薬剤ごとに減り方が違うため、それぞれ計算してください。

ロスを減らす在庫管理の3ステップ
在庫管理というと難しく聞こえますが、やることは3つだけです。特別なツールは必要なく、油性ペンとノート(またはスマホのメモ)があれば今日から始められます。
ステップ1:開封日をボトルに書く
開封したら、その日の日付をボトルに油性ペンで書きます。開封後は空気に触れて品質が変わりやすくなるため、いつ開けたかが分かるだけで「使い切るまでの目安」を判断しやすくなります。未開封のものには、届いた日を書いておくと先入れ先出しがしやすくなります。
ステップ2:先入れ先出しで並べる
先入れ先出し(先に届いたものから先に使う並べ方)を徹底します。新しく届いた薬剤は棚の奥、古いものは手前に置くだけです。開封済みのボトルは必ず手前に置き、同じ薬剤を2本同時に開けないようにします。
ステップ3:月1回の棚卸しで本数を数える
月末に、薬剤と消耗品の本数・パック数を数えてノートに書きます。先月の在庫+今月の仕入れ-今月の在庫=今月使った量、という式で実際の使用量が分かります。この数字が「計算上の使用量」と大きくずれていたら、はかり方が甘いか、使いすぎているサインです。

まつ毛パーマの原価率はどれくらいが目安?
薬剤と消耗品を合わせた材料費は、施術料金の1割前後に収まることが多いです(目安)。超えるなら料金の見直しを検討します。
たとえば施術料金が6,000円で材料費が600円なら、原価率(料金に対する材料費の割合)は10%です。まつ毛パーマは材料費の比率が比較的小さく、コストの多くは施術者の時間、つまり人件費です。そのため、薬剤を安いものに替えて数十円を節約するより、施術時間を短くしたり、料金設計を見直したりするほうが利益への影響は大きくなります。
薬剤コストを下げようとして使用量を減らしすぎると、軟化不足やカール不足につながり、お直しの手間で結果的にコストが増えることもあります。原価は「削る」より「把握して、料金に正しく反映する」ものと考えるのが健全です。料金設計の考え方は、関連記事のラッシュリフト導入の単価設計もあわせてご覧ください。
用語のミニ解説
原価:商品やサービスを提供するために直接かかった費用。この記事では薬剤と消耗品の材料費を指します。
原価率:施術料金に対する原価の割合。たとえば材料費600円÷料金6,000円=10%のように計算します(数値は例・目安)。
先入れ先出し:先に仕入れたものから先に使う在庫の並べ方。期限切れのロスを防ぐ基本です。
使用期限:未開封で品質が保たれる期限。開封後は空気に触れるため、それより早く使い切るのが基本です。
薬機法(医薬品医療機器等法):化粧品の品質・表示・広告を定める法律。まつ毛パーマ剤の効果の説明は「太く長く見える(メーキャップ効果)」など見た目の範囲にとどめます。
現場からのひとこと
導入相談でよくいただくのが「1本で何回できますか?」という質問です。答えは施術スタイルによって変わるため、私たちは「まず3回はかってみてください」とお伝えしています。使用量を一度はかると、塗布量のばらつきにも気づけて、仕上がりの安定にもつながります。原価計算は経営のためだけでなく、技術の見直しのきっかけにもなります。
▶ 薬剤ごとの容量や1本で施術できる回数の目安、仕入れ条件など、原価計算に必要な情報を個別にお答えします。
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よくある質問(FAQ)
Q. まつ毛パーマ剤の原価は1施術あたりいくらくらいですか?
A. 仕入れ価格や使用量で変わるため一概には言えませんが、薬剤だけなら数百円程度、消耗品を含めても施術料金の1割前後に収まることが多いです(目安)。自店の仕入れ価格と使用量で計算するのが確実です。
Q. 開封したまつ毛パーマ剤はどれくらいで使い切るべきですか?
A. ブランドの案内に従うのが基本です。開封後は空気に触れて品質が変わりやすいため、開封日をボトルに書き、案内された期間内に使い切れる本数だけ在庫を持つようにしましょう。
Q. 在庫管理にアプリや専用ツールは必要ですか?
A. 必須ではありません。開封日の記入、先入れ先出し、月1回の棚卸しの3つをノートやスマホのメモで続けるだけで十分です。施術数が増えてきたら表計算ソフトに移すと管理が楽になります。
Q. 原価を下げるために薬剤の使用量を減らしてもいいですか?
A. おすすめしません。使用量を減らしすぎると軟化不足やカール不足の原因になり、お直しで結果的にコストが増えます。原価は削るより、正しく把握して料金に反映するものと考えましょう。
執筆:Mermaid Lash Lift 運営チーム

