この記事で分かること

  • まつ毛パーマで起こる皮膚トラブルの種類と、アレルギーとの違い
  • パッチテスト(薬剤で肌に反応が出ないかを事前に確かめる試験)の手順と判定の目安
  • 施術中・施術後に異常が出たときに、サロンが取るべき対応と記録の残し方

結論からお伝えすると、アレルギーを完全に予測する方法はありません。だからこそ「カウンセリングで聞く」「パッチテストで確かめる」「異常が出たらすぐ止める」の3つを、店のルールとして決めておくことが大切です。

まつ毛パーマのアレルギーを防ぐパッチテストとサロン対応の4ステップを示した図解
カウンセリングから異常時の対応までの4ステップ(判定の時間は目安)

まつ毛パーマでアレルギーは起こる?

起こる可能性はあります。薬剤の刺激によるかぶれと、体質によるアレルギー反応の2種類があります。

まつ毛パーマ剤は、まつ毛の形を変えるための化学的な成分を含んでいます。まぶたの皮膚はうすく、目の粘膜もすぐそばにあるため、ほかの部位より刺激を受けやすい場所です。国民生活センターにも、まつ毛パーマ後にまぶたがかぶれた、目が赤くなったといった相談が寄せられてきました。

ここで知っておきたいのは、肌トラブルにはしくみの違う種類があることです。種類によって出るタイミングも、パッチテストで見つけられるかどうかも変わります。

種類起こるしくみ出やすいタイミング(目安)主なサイン
刺激性のかぶれ薬剤の刺激や放置しすぎで皮膚が荒れる施術中〜当日ひりひり感・赤み
アレルギー性のかぶれ体が特定の成分を異物と判断して反応する数時間後〜2日後ごろかゆみ・腫れ・ぶつぶつ
目に入ったことによる刺激薬剤が目の表面に触れる施術中〜直後しみる・充血・涙が止まらない
まつ毛そのもののダメージ軟化(薬剤がまつ毛に効いた状態)のしすぎ施術直後〜数日チリつき・切れ毛

※タイミングは一般的な傾向を示した目安です。症状の出方には個人差があります。

とくに注意したいのが、アレルギー性のかぶれです。これまで何度も問題なく施術を受けてきた方でも、ある日突然反応が出ることがあります。「前回は大丈夫だったから」は、安全の理由にはならないと考えておきましょう。

まつ毛パーマの前に目元の不安やアレルギー歴をアイリストに相談するお客様
施術前のカウンセリングで、かぶれやアレルギーの経験を必ず確認します

まつ毛パーマのパッチテストは必要?

法律で一律に義務づけられてはいませんが、初めての方や体質に不安がある方には行うのが安心です。

ヘアカラー(酸化染毛剤)では、毎回の使用前にパッチテストを行うよう製品の注意書きで求められています。一方、まつ毛パーマ剤は製品ごとに扱いが異なります。まずは、お使いのブランドの取扱説明書にパッチテストの指示があるかを確認してください。

指示がない場合でも、次のようなお客様には事前のテストをおすすめします。

  • はじめてまつ毛パーマを受ける方
  • ヘアカラーやパーマで、かぶれやかゆみが出たことがある方
  • アトピー性皮膚炎や、金属・化粧品のアレルギーがある方
  • 以前のまつ毛パーマで、翌日に腫れや赤みが出たことがある方
  • 使う薬剤のブランドを変えたとき(お客様の側ではなく店の側の変化)

パッチテストは「ご来店が1回増える」ため、お客様に負担をかけるように感じるかもしれません。ただ、トラブルが起きたときにお客様と店の両方を守る記録にもなります。予約時にひとこと案内しておくと、受け入れてもらいやすくなります。

▶ Mermaid Lash Liftは日本製・化粧品登録済みの業務用まつ毛パーマ剤です。初回セットは30,000円〜(目安)。薬剤の成分や、パッチテストを含む安全な施術の進め方は、講習(22万円・目安)でていねいにお伝えしています。

サロン導入のご相談はこちら

くわしくは「化粧品登録済み」のまつ毛パーマ剤とは? 雑貨扱いとの違いを解説でも解説しています。

まつ毛パーマのパッチテストはどうやって行う?

腕の内側に施術で使う薬剤を少量塗り、30分前後と48時間後の2回、肌の様子を確認するのが目安です。

目のまわりに直接試すことはできないため、皮膚がうすく反応を見やすい腕の内側を使います。手順は次のとおりです。

① 薬剤を少量塗る

施術で使う1剤と2剤を、それぞれ別の場所に直径1〜2cmほどの大きさで塗ります。どの薬剤で反応が出たかを見分けるため、少し間隔をあけておきましょう。

② 自然に乾かす

塗った部分はこすらず、そのまま乾かします。判定が終わるまでは、洗ったり絆創膏でふさいだりしないようお客様にお伝えします。

③ 30分前後で1回目の確認

店内で赤み・かゆみ・ひりひり感がないかを見ます。この時点で異常があれば、すぐに洗い流して施術は見送ります。

④ 48時間後に2回目の確認

アレルギー性の反応は時間がたってから出ることが多いため、2日後の状態が大切です。お客様ご自身に確認していただき、写真を送ってもらう方法もあります。異常がなければ、施術の予約へ進みます。

判定の時間はあくまで一般的な目安です。ブランドが別の方法や時間を指定している場合は、そちらを優先してください。また、パッチテストで反応が出なくても、目に入った場合の刺激までは確かめられません。施術中の観察は、テストの結果にかかわらず欠かせません。

まつ毛パーマの施術中に目元を保護しながら薬剤を塗布するアイリスト
施術中は目を閉じた状態を保ち、薬剤は少量ずつ塗布するのが基本です

施術中・施術後にアレルギーが出たらどうする?

すぐに施術を中止し、ぬるま湯でやさしく洗い流します。こすらずに眼科や皮膚科の受診をすすめてください。

施術中にお客様が「しみる」「熱い」と言ったら、それは中止のサインです。がまんしていただくのではなく、いったん手を止めて状態を確認しましょう。しみる原因と防ぎ方は、まつ毛パーマがしみる原因の記事でもくわしく解説しています。

異常が出たときの対応は、次の順番で進めます。

  • 施術を止め、薬剤をコットンやぬるま湯でやさしく取り除く
  • 目に入った場合は、こすらずに流水で十分に洗い流す
  • 赤み・腫れ・痛みが続くときは、眼科または皮膚科の受診をすすめる
  • 使った薬剤の名前・ロット番号(製造単位の番号)・放置時間を記録する
  • ブランドや仕入れ先に連絡し、状況を共有する

受診のときは、使った薬剤の容器や成分表を持って行ってもらうと、医師が原因を判断しやすくなります。ロット番号も一緒に控えておきましょう。

施術後の翌日以降に「かゆい」「腫れてきた」と連絡が来ることもあります。そのときも上と同じく、受診のおすすめと記録を優先します。こうした連絡を受けやすくするために、施術後のご案内に「気になる症状があればご連絡ください」とひとこと添えておくと安心です。

まつ毛パーマの施術後に目元の赤みやかゆみを鏡で確認する女性
アレルギーの反応は施術の翌日以降に出ることもあります

トラブルを防ぐカウンセリングと記録の仕組み

アレルギー対策は、施術の腕前よりも「毎回同じことを聞き、同じように残す」仕組みで決まります。カウンセリングシートには、最低でも次の項目を入れておきましょう。

  • これまでのまつ毛パーマ・ヘアカラーでのかぶれやかゆみの有無
  • アトピー性皮膚炎や、金属・化粧品のアレルギーの有無
  • 現在の目の不調(充血・ものもらいなど)やコンタクトレンズの使用
  • パッチテストの実施日と結果
  • 使用した薬剤・ロット番号・放置時間・お客様の反応

記録は、施術のたびに更新します。前回の放置時間や反応が分かれば、次回の薬剤の量や時間の調整にも役立ちます。軟化時間の見きわめ方はラッシュリフトの軟化チェック完全ガイドを参考にしてください。

あわせて確認したいのが、使う薬剤そのものです。保健所は、頭髪用のパーマ液をまつ毛に使わないよう呼びかけています。まつ毛用として化粧品の届出がされた製品を選び、成分表示を確認できる状態にしておきましょう。

用語と関連ルールの補足

パッチテスト:薬剤を肌の一部に塗り、赤みやかゆみなどの反応が出ないかを確かめる試験。アレルギーを完全に予測するものではありません。

接触皮膚炎:いわゆる「かぶれ」のこと。刺激によるものと、アレルギーによるものがあります。

美容師法:まつ毛パーマは美容行為にあたり、美容師免許を持つ人が、保健所に届け出た美容所で行う必要があります。

薬機法(医薬品医療機器等法):化粧品の成分表示や、広告で使える表現を定めた法律。まつ毛パーマ剤の選び方にも関わります。

目的外使用:頭髪用パーマ液のように、決められた用途以外に製品を使うこと。まつ毛への使用は控えるよう通知が出ています。

現場からのひとこと

導入サロン様から多いのは、「パッチテストをどこまでやればいいのか」というご相談です。私たちは、すべてのお客様に一律で行うかどうかよりも、「誰に行うか」を店で決めておくことをおすすめしています。基準があれば、スタッフによって対応がばらつくこともありません。カウンセリングシートの項目づくりから、一緒に考えることもできます。

▶ パッチテストの進め方やカウンセリングシートの項目について、個別にご相談いただけます。薬剤の成分表示の確認もお気軽にどうぞ。

お問い合わせはこちら

関連記事

よくある質問(FAQ)

Q. まつ毛パーマのパッチテストは毎回必要ですか?

A. 法律で一律に義務づけられてはいません。はじめての方、体質に不安がある方、薬剤のブランドを変えたときは行うのが安心です。ブランドの取扱説明書に指示があれば、それに従ってください。

Q. パッチテストで反応が出なければ、アレルギーは起きませんか?

A. いいえ、完全には防げません。パッチテストは腕の皮膚で反応を見るもので、目に入ったときの刺激や、その後に体質が変わる場合までは分かりません。施術中の観察と、施術後のご案内も欠かさないようにしましょう。

Q. 施術の翌日に、お客様からまぶたが腫れたと連絡がありました。どうすればいいですか?

A. 目元をこすらないようお伝えし、眼科または皮膚科の受診をすすめてください。使った薬剤の名前とロット番号、放置時間を記録し、ブランドや仕入れ先にも状況を共有します。

Q. 以前は問題なかったお客様でも、アレルギーが出ることはありますか?

A. あります。アレルギーは、同じ成分にくり返し触れるうちに反応が出るようになることがあります。毎回のカウンセリングで、前回以降に肌の変化がなかったかを確認しましょう。

くわしくは妊娠中・授乳中のまつ毛パーマは大丈夫? 施術前に確認したいことでも解説しています。

執筆:Mermaid Lash Lift 運営チーム